LIXIL(INAX)の温水洗浄便座のフタが途中までしか開かない
人感センサーによってフタが自動で開くリクシル(イナックス)のシャワートイレ。自動でもボタン操作でもフタが途中までしか開かなくなった。便座に座ると、重力に負けたフタが閉じてきて背中に当たることがある。このままではフタに食べられてしまうため、分解して修理した。
結論、フタの回転を制御している自動開閉ユニット内にあるポテンショメータの調整で解決した。使用した道具は以下のとおり。
- プラスドライバー
- プラスチックのヘラ(分解時に本体カバーのツメを外すため)
- レンチ
- タミヤのセラグリスHG
まずはコンセントから電源を抜く。次にフタを取り外す。止水栓や給水ホースは、そのままにして作業した。なぜなら、動作を確認するたびに止水栓を開けたり閉めたりするのが面倒だから。便器の上に本体を立てかけることで難なく作業を進めることができた。
本体着脱プレートは便器にボルトで固定されている。そのプレートに本体がマウントされている。本体のロックレバーを押しながら手前にスライドすると本体が簡単に外れる。ここまでは取扱説明書に書かれているとおり。
カバーを外すために本体の背にあるネジを外す。カバーはネジだけではなくツメで引っ掛けてある。ヘラを差し込んでカバーをたわませながら隙間を広げることでツメは簡単に外れた。いよいよ中身の登場である。
フタと便座のそれぞれで自動開閉ユニットが分かれていた。問題があるのはフタだけだ。フタ用の自動開閉ユニットを取り外す。邪魔なコードを引っこ抜いてネジを外すとユニットが取り外せた。
自動開閉ユニットはモーター・ギア・スプリング・ポテンショメータで構成されていた。モーターの回転が複数のギアに伝わり、フタを直接操作する軸が回転する仕組みになっている。
「力任せにフタを開けたり閉めたりした時にギアが壊れたか?」と思っていたけれど、ギアは無事だった。そうなるとポテンショメータが怪しい。ポテンショメータはギアがどれだけ動いたか、つまりフタの位置を把握するパーツらしい。
ポテンショメータは基盤に円形の穴が空いているものだった。その穴には回転する半月型パーツが付いている。ギアが回転すると半月型パーツも回転し、半月の角度が変わる。その角度によって入力値が変わり、フタが開いているかどうかを判定する仕組みになっているようだ。
半月型パーツには正しい角度があるだろうと考え、その角度を探っていくことにした。ギアが特定の位置にあるときの角度をいろいろ変更してみることにした。360度あるから45度ずつ試すと8回もテストをすることになり面倒そうだ。とりあえず90度ずつ試すことにした。
まずは「ギアが特定の位置にあるとき」で言うところの位置を決める。フタを回転させる軸をレンチで反時計回りに限界まで回転させた。つまりフタが全開で開いている状態になる。その状態における半月型パーツの角度を変更していくことにした。
半月型パーツを直接操作するギアがある。そのギアだけ取り外し、90度回転させてから取り付ける。もちろん半月の角度も90度回転することになる。これにより、フタが全開で開いているときのポテンショメータが持つ変数が変化すると考えた。
そんな感じで2回変更したら、正しい値を引き当てたっぽい。フタが開く時の勢いが強くなり(少し強すぎる気もする)、きちんと動作するようになった。
半月型パーツの角度によっては、シャワーを含むあらゆる機能が、うんともすんとも言わなくなることがあった。おそらくポテンショメータによって「フタが閉まっている」と判定されつづけていたのだと思う。
角度を変更するたびにパーツを組み立てて取り付けるのは面倒だった。ネジを何本か閉めずに手抜きをしながらテストをした。正解の角度を見つけたあとにパーツを取り外してギアや軸にグリスを塗りたくり、ネジをきちんと締めて組み立てた。
ネットで調べてみるとPanasonicやTOTOのウォシュレットも似た仕組みで動いているように感じた。自動開閉機能は掃除をするときなどに、つい壊してしまいやすい機能だと思う。